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将棋棋士列伝
あ、負けました(森内俊之)ウヒョー(加藤一二三)
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2012/03/19(月) 21:19 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第1局 『羽生善治二冠』が名誉NHK杯選手権者の称号を獲得!
10ヶ月前

名人位を失った羽生善治の今後にむしろ期待したい

再び名人戦に登場することを楽しみにしながらと結んで

ブログの更新を休止していた


あれからわずか1年もたたないうちに

羽生善治は挑戦者となって名人戦の舞台に再び登場する

名人位400年の節目という大舞台に最強の挑戦者として舞い戻ってきたのだ


挑戦者となるのも大変なA級順位戦である 谷川浩司の現在を見れば尚更思う

しかも70期のA級は全員がタイトルの経験者という史上初の巡り合わせで

羽生善治といえども激戦が予想されるのは当然だったし

渡辺明がA級2期目にして挑戦者になるのではないかと予想していた


しかし羽生善治はA級順位戦を9戦全勝で終えた 41歳の記録としては脅威的である

正直期待はしていたがここまで圧倒して挑戦権を得るとは想像できなかった


比較するのは酷だが

A級からB級1組へ陥落した久保利明は立て続けに王将と棋王を失い

二冠から無冠へ転落した 勝負の世界の恐ろしさを見た


藤井猛九段は前期A級からB級1組へ降級し順位2位でありながら1期でB級2組へ降級である

これもまた順位戦の厳しさを見た


それを踏まえて羽生善治の名人戦以降を見ると

羽生の全盛期はまだまだ続くのではないかとすら思える充実ぶりだった


実は羽生善治の時代はもう過ぎてしまったと失冠した名人戦を終えた時思っていた

しかし羽生善治はまだまだ第一線で高い壁であることを証明してみせた


名人戦から間もなく広瀬章人から王位を奪取し再び三冠となる


渡辺明には王座を奪取され20連覇も阻まれ苦杯をなめたが

年度後半には14連勝を含む勝ちっぷりを見せ

対局数、勝ち数は最多 勝率は7割前後を維持した


名人位を失冠し王座も渡辺明に0-3で奪取された時点では

羽生善治から渡辺明の時代に変わりつつあるのかと思えた


ところが

羽生善治は5つある優勝棋戦のうち3つで優勝を重ねた

(非公式戦富士通達人戦も決勝で佐藤康光を下し優勝、これを含めれば棋戦優勝は4棋戦となる)

しかもうち2棋戦では決勝で渡辺明を退けての優勝である


今まで竜王戦と王座戦では羽生善治の前に渡辺明が立ちはだかったが

今期の優勝棋戦では渡辺明の前に羽生善治が立ちはだかった形となった


①JT杯将棋日本シリーズでは決勝で渡辺明竜王に勝ち優勝


②朝日杯将棋オープン戦では準決で新鋭の菅井竜也五段を下し決勝で広瀬章人七段を破り優勝


この間A級順位戦最終局があり、最終局郷田真隆に勝ち9戦全勝として名人挑戦に花を添える


③白眉はNHK杯テレビ将棋トーナメントにおいて決勝で渡辺明竜王を破り前人未到の4連覇

通算10回の優勝となり史上初の名誉NHK杯の称号を獲得し永久シードを手にした


最優秀棋士は渡辺明で決まりと思っていたが羽生善治もそれに値する活躍ぶりであった

羽生善治は渡辺明と並んで棋界トップの位置にいることを証明したと思うし

大山康晴のように50代60代になってもまだまだ大きな存在で居続ける様な予感さえ受けた


森内俊之名人奪取 佐藤康光王将奪取 郷田真隆棋王奪取 で見た羽生世代の底力

豊島将之 阿部健治郎 菅井竜也 船江恒平 中村太地 をはじめとする若手棋士の台頭

いろんなことがあった将棋界の1年だったが年度末の3月を迎えて思うのは

羽生善治はまだまだ棋界の中心であり続けているということと

渡辺明とのゴールデンカードを今後も50局100局と見続けていたいと思えたことだ


NHK杯決勝で羽生善治と渡辺明が盤を挟んで向かい合っている

わたくしは(←飯島栄治七段風に)その光景を見てこんなことを感じた


羽生善治は渡辺明に何か大きな魂のようなものを引き継いでいこうしている

自分(羽生)の次はあなた(渡辺)が引っ張っていってくださいよと

まだまだ負けないよと姿勢を正しながらも

自分を越えていってくれなくては困るんだと無言のメッセージを送っているように見えた


渡辺明も間違いなく次世代のスター棋士

羽生世代同士での争いも見応え十分だったが

羽生善治と渡辺明の対局もまた記憶に残る名勝負が次々と生まれていくだろう


羽生善治がいたから渡辺明の強さも際立ったように

渡辺明がいるからこそまた歳を重ねた羽生善治の凄みも十分に伝わってくるのである
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2012/03/26(月) 01:53 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第2局 『上田初美女王』はプロ意識の高い本物の女王だ♡
NHK杯の決勝が終わると翌週に女流枠の出場者決定戦が放映される


今年は上田初美女王 対 甲斐智美女流王位の対局であった

解説は屋敷九段


屋敷の説明で改めて再確認したのだが

現在奨励会に在籍している加藤桃子1級(女流王座)と里見香奈初段(女流三冠)は

NHK杯への出場権を奨励会に在籍しているために失っていた


女流枠は例年ならば女流のタイトル保持者全員で争う所なのだが

タイトル保持者の加藤桃子女流王座と里見香奈三冠が出場者決定戦に出られないという

矛盾が発生してしまったのである


どうせ初戦で負けるんだからいいだろ という次元の話では済まされない

なぜなら近年は女流タイトルが女王と女流王座と新設されたことからも判る通り

女流を盛り上げようという気運が高まっているように思える


まだまだ清水市代はタイトル戦にも登場する棋力を維持しているが

上田初美女王をはじめとして 加藤桃子 長谷川優貴と若いスター候補が輝き始めている


こういう状況だからこそ注目度の高いテレビ棋戦に加藤桃子と里見香奈が出場して

4人で争ってくれた方がより良かったと単純に思ったのである ただルールだから仕方ないが


しかし昨日の上田初美女王 対 甲斐智美の対局そのものはとても良かった


内容は甲斐が優勢のまま押し切って見所は少なかったが

敗れたものの内容以外での対局姿勢に於いて上田初美は女王として成長した所を見せてくれた


昨年 将棋棋士列伝 番外編③ で上田初美に触れていたので実は思い入れがあったのだが

敗れてなお マイナビ五番勝負が楽しみな上田初美女王の姿であった


女流棋士にはしゃべらせても味がある棋譜読み上げの藤田綾をはじめ

タレント顔負けの才能がある鈴木環那や室谷由紀など才色兼備な人材がせっかくいるので

ぜひNHKには司会や聞き手にどんどん起用してもらいたいものだ


それはすべて女流棋士すべての発展につながっていくのだから


[*追記]上田初美女王は第5期マイナビで長谷川優貴女流二段を3-0のストレートで退け初防衛し女王2期目へ


2012/03/30(金) 18:04 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第3局 『渡辺明竜王』は兄貴肌を感じさせる好青年☆
渡辺明竜王のブログは広く知られているとは思うが

私は竜王のブログを見ると彼の文章に感心することが多々ある


30前の男に向かって立派になったというのもヘンな言い回しだが

渡辺竜王は地位が人をつくるという言葉を地で行った好例だと感じる


棋士自らが発信するブログには当然だが棋士ひとりひとりの個性が溢れていて

ファンの目線で見ても楽しいが1人の人間の生き様が伝わってきて

眺めていると将棋とは関係なく、いろいろな事を考えさせられ勉強になる


今年度も終わり新年度が始まる

一般社会人になって平凡な暮らしが長く続いていると区切りの無い生活を只繰り返しがち


棋士は対局だけでなく普及と一部棋士は運営の仕事もしている

自分のような一般人は対局のようなドラマティックな日常とは無縁だが

棋士のブログ等で棋士の一面に触れると自分も何か頑張ってみようかなと背中を押される感じを得る


特に渡辺竜王は自分より下の世代なので考えさせられるものがある

歳下を手本にというのもヘンかもしれないが

見習いたいべきものは吸収したい思いだ


渡辺竜王お疲れさまでした

夏頃までは週1に満たない対局だそうですが棋界を引っ張る姿をこれからも見ていたい

彼は昔ヤクルトファンだったそうだが 私もヤクルト少年だったので共感する所があるのだ(笑)

竜王の扇子も2本愛用しているし 何気に竜王のファンになっていたのかもしれないな

恐るべし渡辺竜王 歳は下だけど兄貴肌を感じさせる好青年なのだろう


2012/04/10(火) 23:42 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編① 第70期名人戦第1局前夜〜あの人物が十段位に推戴された
名人400年祭と称した将棋連盟による第70期名人戦が開幕した


なんでも第1局の前夜祭では徳川家康を十段位に推戴したのだとか

徳川家康に十段位を贈るくらいなら

九段昇段後に1000勝した加藤一二三を十段にした方がよほどいいと思うのは私だけか


名人戦開幕までに羽生善治がA級順位戦を9戦全勝で終え

直前には羽生がNHK杯4連覇で優勝10回の規定により名誉NHK杯選手権者の称号を得

最優秀棋士賞を獲得したが直前で竜王戦にて橋本に敗れ


一方森内俊之名人は半年ほど白星なしで連敗をしていたが直前で島朗に勝って

そして名人戦開幕である


結論から言うと

森内名人の防衛で終わるだろう


それにしても門倉四段はあんなキャラだったのか

勘違いも許されるのは新人時代だけだぞ


あと検討陣で最近目にする棋士を阿部健治郎五段かとずっと思っていたら牧野光則四段だった

牧野髪の毛伸ばしたらアベケンそっくりじゃないか


2012/04/12(木) 23:46 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編② 第70期名人戦で再び露呈した永世称号のあり方
第70期名人戦が開幕している 初戦は森内が勝ち

振り駒による先手番を差し引いても森内2日制強しを印象づけた


調子下降気味と言われた森内もしっかり名人戦に調整してきたのだろう

もっとも私の戦前予想は森内の防衛なので先勝した事に驚きはなかった


むしろ最強の挑戦者と煽られた羽生の方が苦しい展開になるのは明らかで

盤勝負の結末がどちらに微笑むかはともかく第7局まで見たいのが偽りない思いである


ところで近年羽生が永世名人の称号を得た後から

羽生善治十九世名人森内俊之十八世名人との呼称をあちらこちらで聞く様になった


主に昨年度の第69期名人戦から多く耳にするようになったのだが

NHK及び将棋に関わるメディアから連盟の棋士までもが

永世名人対決などとコメントすることにとても違和感がある


そもそも永世称号は原則引退後に名乗るものであり

現時点においては谷川も森内も羽生も永世名人ではない

正しくは永世名人称号有資格者である


それゆえ永世名人の称号を名乗る資格があると断ってくれればいいが

森内俊之十八世名人 対 羽生善治十九世名人などとコメントされるとしっくりこないのだ

存命で許されるのは中原誠十六世名人だけである


そう固い事言いなさんなと言われそうだが 名人位400年の歴史を守る意気込みがあるなら

連盟にもそこは徹底してもらいたいものだ

NHKも発言を訂正するくらいの姿勢で永世名人称号を厳粛に扱ってほしいと思います


名人戦はNHKで例年観戦しているが今期(から)はニコニコ生放送で終日中継がされたらしい

なかでも三浦弘行八段の解説がおおむね好評だったようだ


奇しくも今期を名人位400年と位置づけ連盟は盛り上げに尽力しているが

未来の名人戦はどうなっていくのだろうか 果たして将棋界は、、、


それで一番危惧されるのが将棋ソフトがトッププロを越えた後の将棋界の位置づけである

将棋ソフトが人類の知性を越えたとしてもプロの対局は、名人戦は魅力あり続けるだろうか


遠回りしたがその答えはいくつかある

プロの将棋が魅力を保ち続けるためには絶対的スターの存在が必要不可欠


勝ち続けるスターの存在 絶対王者の存在 将棋界を背負っていく棋士

未来の将棋界に於いてその条件を満たすのは渡辺竜王ただ1人しかいない


渡辺竜王は20代で名人になれるか判らないが

近い未来でもいい 名人位を獲ったら二十世名人を目指して防衛を続けてほしい


170kmの球を投げるバッティングマシーンより

155kmの球を投げるダルビッシュを見たい


完璧なゴルフをするロボットが生まれても

タイガーウッズのプレーの方が見てみたい


人間の知性を越えた将棋ソフトが開発されたとしても

渡辺明の指す将棋を私は見ていたい


そういうことだ


今期(から)はニコニコ動画で生中継がされたり名人戦も転機を迎えつつある

しかし周りの環境が変わっても対局するのは400年前と変わらず棋士達なのだ


私はそんな棋士達の戦いをずっと見続けていたい


2012/04/13(金) 15:05 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編③ 第70期名人戦は両横綱による千秋楽の結びの1番
番外編②では永世名人の呼称の扱い方について述べたが

それだけ名人位には400年の歴史の重みがあるということだろう


おそらく50年後100年後に振り返ってみると

第70期名人戦は大きな盤勝負だったということになるのだと思う

それを今我々はリアルタイムで体感しているのだ


まさに歴史は今創り出されている


そしてこんな事を考えた


盤勝負の行方はまだ判らないが 羽生善治が名人位の奪還を果たせなかったとしても

大山康晴に続いた巨星 羽生善治はあの第70期名人戦で森内俊之に敗れたという歴史の1頁になる


言いたいのは 敗れて尚語り継がれるであろう歴史である

3連勝の後4連敗したあの渡辺明竜王との竜王戦も正にそうだ


敗戦の歴史もまた輝く もちろん対戦相手が同等以上の実力者であることは言うまでもない


渡辺明 森内俊之 といった実力者達と主役の座を争い続ける死闘

空に輝く星を取り合っているかの様でとても壮大なロマン溢れる物語を見ているようだ


例えばメジャーに挑戦してマリナーズに移籍昇格した川崎選手

50年100年後にはイチローを追ってメジャーに挑戦し同じチームに在籍活躍した選手として

今よりもむしろ月日が経ってからの方が評価され歴史に名を残す様なプレーヤーとなるだろう


それと同じように第70期名人戦も名人位400年の盤勝負として歴史に刻まれるのは間違いない

それだけの大きな対局の結末に二人の勝者はいない 必ずどちらかが敗者となるのだ

ならばどちらが負けたとしても この盤勝負を見守ろうという心境になる


永世名人対決と言われるが 確かに二人は永世名人称号の有資格者である

名人位に就いた棋士はもっと多いが永世名人の称号を保持している棋士は少ない


相撲で言ったら1回や2回の優勝回数の横綱は名前を言えない

大鵬や北の湖のように10回20回と優勝を重ねた力士なら名前をすぐ思い出せる

言うなれば永世横綱とでも言える様な力士達


羽生善治と森内俊之も歴史に名を残した横綱力士達と同じ様なトップ棋士である

しかも同じ時代に争い合ったライバル同士として


これ以上の戦いがあるだろうか

もちろん横綱が平幕と戦い番狂わせを起こす取り組みも面白い

だがやはり千秋楽の横綱同士の結びの一番を見たいと誰もが思うだろう


第70期名人戦 森内俊之名人 対 羽生善治二冠 の戦いはこの上ない最高のカードである

だから両者には立ち合いで変化せず正面からがっぷり四つに組んで欲しい

そしてどんな決まり手で軍配が上がるか楽しみにしながら土俵ギリギリで踏ん張る姿を見たい


2012/04/18(水) 16:22 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第4局 『藤井猛九段』の前向きな姿勢にプロ魂を見た!
前期順位戦でB1からB2へ降級した藤井猛九段

降級に関する自身のコメントが将棋世界などで複数出ているが内容がとても興味深い


藤井システムを駆使して竜王まで登り詰めた棋士の転落は辛くない訳が無いが

藤井はそれを受け入れまた這い上がるのだという強い意志を示している


A級で引導を渡した友人でもある行方八段によってB級1組最終局では逆に介錯されたこと

ここ数年は成績が奮わなくてもA級に残留することで納得させていた自分がいた

降級が決まっていた中村修九段に負ける訳が無いと甘く考えていたこと

順位戦で開幕から連敗を続ければおかしくなっちゃうよと思っていること


しかしそう言いながらも落ちたらまた上がればいいと前向きな発言もしているのが救い


降級決定直後こそ指先が震える程に現実を受け入れ難かっただろうが

時間が経つにつれて今の自分=棋士藤井猛をありのままに客観視しているようだ


楽しみしているぞ藤井猛

B級2組でのびのびとした対局を見られる様な気がする


上を目指す戦いができることに喜びを感じられたらいい

しかも目指すB級1組とA級は一昨年まで自身が在籍していたクラス


自分がそこに居るときは感じなくても

失ってみて初めて気付くものがある


藤井猛はその失ったものの大きさを痛感しながら

またそこを目指す挑戦ができるのだ


羽生善治のようにすべての山を登り詰めてしまった人間にはできない

挑戦する権利をすべてのプロ棋士は持っているのだ


毎回一次予選で淘汰されるような棋士だったとしても

プロならば藤井猛が言った様に這い上がる努力をして見せて欲しい

努力は嘘をつかない 結果として現れるまで這い上がる努力を続けるべき


2012/04/19(木) 02:51 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第5局 『深浦康市九段』の洒落たコメントは棋力充実の裏返し♡
深浦康市九段がここにきて俄然大注目の展開になってきた


棋聖戦は決勝を残すのみとなったが深浦は今年度も挑決まで勝ち上がり

今回も勝てば深浦は昨年と一昨年に続いて3年度連続の挑戦となる


過去2回は羽生に一矢も報いる事ができず奪取とはならなかったが

決勝で好調な強敵の中村太地五段に勝てばタイトル奪取に向けて勢いが付くのは間違いない


また深浦は竜王戦1組で決勝まで勝ち上がり早々と決勝トーナメント出場を決めた

決勝の相手は山崎隆之七段だが竜王戦1組優勝者となればシード上優位なだけでなく

深浦に対する評価も確実に上昇するのでこのチャンスに勝っておきたいところだろう


そして深浦といえば第71期A級順位戦に4たび戻ってくる

深浦がテレビやインタビュー記事等でA級に対して述べた決意のコメントがおもしろい


「四度目の婚姻届を出す様な気持ちです」


なんとも洒落た発言ではないか やるな深浦


深浦は兄弟子であり強豪として一時代を築いた森下卓九段でさえ成し得なかったタイトル奪取

遅咲きながらも達成した苦労人ともいえる棋士である


その深浦が王位を失ってからも今また輝きを放とうとしている

深浦はA級にいる限り名人への挑戦権を争える位置にもいる


深浦康市九段 この早春40歳 俄然楽しみな2012年度となりそうだ


[*追記] 棋聖戦は挑戦者決定戦で中村太地五段(当時)に敗れたものの

    竜王戦は1組決勝で山崎隆之七段を破り見事1組優勝を果たした。


2012/04/22(日) 04:01 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編④ 恒例企画!第71期順位戦の昇降級者を本気で予想
前期もやりました恒例企画の順位戦昇降級の本気予想です
第71期の組み合わせが決定致しましたので、興味のある方は日本将棋連盟の順位戦ホームページへ。


第71期A級順位戦(予想)

   順位
挑戦  2 渡辺明  竜王 8-1 渡辺明A級3期目 悲願の名人位へ
    1 羽生善治 二冠 6-3
    6 郷田真隆 棋王 5-4
    7 佐藤康光 王将 5-4
    4 谷川浩司 九段 4-5
    5 屋敷伸之 九段 4-5
   10 深浦康市 九段 4-5 深浦4度目の正直で残留
    3 三浦弘行 八段 3-6 三浦順位優位で残留
降級  8 高橋道雄 九段 3-6
降級  9 橋本崇載 八段 3-6



第71期B級1組順位戦(予想)

   順位
昇級 12 広瀬章人  七段 10-2 広瀬3期連続昇級でA級へ
昇級  3 阿久津主税 七段 9-3 阿久津が中堅強豪の山崎、松尾らを制して昇級

降級 10 中田宏樹  八段 4-8
降級  7 井上慶太  九段 3-9



第71期B級2組順位戦(予想)

   順位
昇級 22 豊島将之 七段 10-0 豊島がいよいよ本領発揮
昇級 21 佐藤天彦 七段 9-1 勢いにのり3期連続昇級



第71期C級1組順位戦(予想)

   順位
昇級 30 船江恒平 五段 10-0 稲葉陽、中村太地、阿部健治郎をすべて破り厳しい組み合わせながら昇級
昇級  7 稲葉陽  五段 8-2 船江に敗れるも、中村太地、阿部健治郎、糸谷哲郎を破り昇級



第71期C級2組順位戦(予想)

   順位
昇級 12 佐藤慎一 四段 9-1 ノーマークの佐藤慎一が台風の目になり昇級
昇級 30 瀬川晶司 四段 9-1 ここにきて瀬川が悲願の昇級
昇級  3 菅井竜也 五段 8-2 今期は展開に恵まれ嬉しい昇級


2012/04/22(日) 23:54 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第6局 『佐藤紳哉六段』の危険な賭けは吉と出たか凶と出たか?
本日放送されたNHKテレビ将棋トーナメントの反響が大きかったようだ

対局は佐藤紳哉六段 対 豊島将之七段(対局時六段)であった


実は先週、次週の放送予定で佐藤紳哉の近影が映った時 今週の放送を楽しみにしていた


というのも週刊将棋を購読している方なら説明不要だが

週将の1コーナーでもある深夜A時の中でシンヤ自身がNHK杯に11年ぶりに出場する事と

カツラの着用を予告したうえで、4月の放送を楽しみにしていてくださいと触れていたからだ


(解説には相方のA時=飯島栄治七段を推薦していたがそれは通らなかったようである)


放送の解説は佐藤天彦七段(解説時六段)

奇しくも先の竜王戦で同じく七段へ昇段した豊島将之七段とNHK杯の放送でそろい踏みとなった


以前カツラを着用してリングに上がって試合をしたカツラボクサーというボクサーがいた

佐藤紳哉六段はNHK杯でカツラを堂々と着用して対局に臨んだのである


公共放送だからカツラをしてはいけないルールなど無い

佐藤紳哉の場合は特段にパフォーマンスの危険(可能性)も多分に含まれていたので

無論生放送ではないのだが画面を見ていて妙な緊張感が漂っていた


さらに反響を大きくしたのが 対局前のインタビューである

佐藤紳哉の頭髪ばかりに目が行っていたが佐藤紳哉は開口一番視聴者の度肝を抜いた


豊島〜? 強いよね。(中略)だけど俺は負けないよ。駒達が躍動する俺の将棋を(後略)」


とにかく冒頭の「豊島〜? 強いよね。」の一言で視聴者の常識を良い意味で裏切った


普段の棋士達がするコメントとは明らかにトーンが違うので

何かNHK杯ではなく別の番組を見ているのではないかと錯覚しそうなほどだった


小泉純一郎ではないが、短い言葉で与えたインパクトは相当なものだったろう

実際あの突飛なインタビューで今まで佐藤紳哉を知らなかった人達に名前と顔を一瞬で売ったはずだ


あのインタビューは否定的な見方も肯定的な捉え方もできて賛否両面あると思う

私はプロ棋士なら多少刺激的な発言をしても場を盛り上げ話題を提供するのは大いに結構だと思う


今日の対局で勝ったのは豊島将之なのだが佐藤紳哉の印象が強すぎて考えるところがあった

勝敗が第一なのはもちろんだがプロである以上やはり魅せる部分も重要なのかと感じた


勝ち続けることで、強いということがすでに確立されている棋士なら必要ないが

強さだけでは表現できない注目されない棋士はやはり魅せる部分も個性として重要ではないか


こういう話題になると判り易いので引き合いに出される橋本崇載八段

やはり低段時代から注目を集める為に奇抜な格好をしたりして実際に注目を集めた

プロ棋士ならば自分から積極的に自分を知ってもらう、売る姿勢も必要かと思う

(もちろんそういうパフォーマンスに頼る意志の無い棋士はする必要はないと思うが)


いずれにせよ危険を顧みずあのインタビューに臨んだ佐藤紳哉はある意味勝利したと言っていい

対局には負けたが11年ぶりの出場となった1時間30分

もっと言えばあの1分足らずのインタビューだけで棋士としての自分の存在を広く知らしめたのだ


これからもしも佐藤紳哉がタイトルをとるようなことでもあれば

後世に名を残す様な型破りな棋士の1人として認められるだろう


佐藤紳哉六段は現在まで順位戦はC級2組ながら竜王戦は2組に在籍しており

過去には全棋士中勝率1位と勝ちまくった年度もあるので、再度輝きを放つ可能性はある

今後は目立っている普及面だけでなく対局内容や実績でも注目される佐藤紳哉を見てみたい


また今回は勝ちながら完全に引き立て役に回ってしまった豊島将之

インタビューでは「優勝を目指しマス」と力強いコメントをしていたことを最後に触れておきたい


2012/04/25(水) 00:42 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第7局 『高橋道雄九段』がBS-NHK生中継で名人戦の大盤解説を担当
第70期名人戦第2局のBS-NHK生中継メイン解説は高橋道雄九段だったが

先日話題となった佐藤紳哉六段とは全く対極にあるといっていい寡黙な棋士


その高橋道雄が放送中アナウンサーに羽生のタイトル80期についての感想を促され

一瞬言葉に詰まった後、不快感を示す発言をしたので生中継が無事成立するか不安になった


というのも高橋道雄は以前囲碁将棋チャンネルの番組内

司会者に第50期名人戦で中原誠に3-4で敗れた話を促された時

このままでは頭がカアーッっとなって話ができない旨を伝え

休憩を挟み番組収録をストップ(カット)させた前例があったからだ


当時の司会者の著書によれば

勝負師に過去の敗戦の事を聞くべきではないと思わされたと結んでいたが

現トップ棋士である羽生善治二冠や渡辺明竜王は数多の取材で

渡辺に敗れた対局、羽生に敗れた対局について度々インタビューを受けている

羽生や渡辺が怒って帰ってしまったなどという話は聞いたことがない


羽生も渡辺も自分の敗れた対局について振り返るのは面白くないはずだが

そこは自分を律して答えたくない質問にも丁寧に解答しているのだろう


大人の対応がいいかどうかは別として

プロである以上、前夜祭があれば参加して関係者に挨拶するのは当然の職務であると思うし

その延長線上として考えれば、たとえ過去の結果であろうと

ファンあってのプロであるなら敗戦についてもコメントくらいするべきだと私は思う


実際、羽生は竜王戦のテレビ密着取材で敗戦数日後に時間を設けてインタビューに答えている

森内俊之名人も名人位を失冠直後に密着取材のカメラの前で敗戦のコメントを拒否しなかった


同じA級棋士でもある羽生、渡辺、森内らの対応を踏まえると

高橋道雄もたとえ自身が話したくない話題であっても、もう少し話すことはあるのではないだろうか


大好きな矢倉ではなく角換わりになった戦形に対しても

私は角換わりは嫌いですと言い切ってしまうのではなく、もっと違う言い回しがあるのではないか


大盤解説を見に来ている角換わりの好きな将棋ファンのことを考えたら尚更

角換わりは嫌いなどと言ってしまっては観戦している立場がなくなってしまう


棋士には対局、普及、運営の仕事がある


対局者としての高橋道雄はもちろん過去から現在までトップ棋士の1人であることは疑いない

ただ高橋道雄が解説者としてファンに将棋の魅力を伝えられているかとは全く別の話なのだ


阿久津主税七段の名著「将棋のチカラ」でも将棋の魅力をファンに伝えるには

対局者より解説者の力による所が大きいと触れられていた 全くその通りだと思う


せっかくの名人戦という大舞台を盛り上げる為には大盤解説はとても重要

自分のことだけを考えているような棋士ではなく将棋界全体を考えるような棋士が解説者には適任


ニコニコ動画中継では佐藤康光王将の解説がネットという特性を差し引いてもかなり好評だったらしい

さすが棋士会会長の佐藤康光王将といったところか


先の第1局、名著「将棋のチカラ」の著者でもある阿久津主税七段の解説ファン目線でとても良かった


将棋連盟がファンの普及を本気でしているのは伝わるが

大盤解説の講習会を開いて棋士に解説の腕を磨かせるのも一案ではないだろうか

すべては将棋の普及につながっていくことなのだから


2012/04/27(金) 20:38 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第8局 『渡辺明竜王』は仕事も超速だった?(笑)
少し前になるが、毎年5月号のNHK将棋講座テキストには

3月に終了した前期NHK杯決勝と準決勝の棋譜が掲載されるので

講座内容に興味が無い場合でも5月号だけは忘れずに買うようにしている


ここ数年の5月号の巻頭ページは羽生善治NHK杯がNHK杯を抱いている写真がお約束になっているので(笑)

一瞬、カップを持った同じ写真を毎年使い回ししているのではないかと錯覚してしまった(笑)


そんな2012年の5月号に羽生善治とNHK杯を懸けて決勝戦を戦った渡辺明竜王の自戦記が掲載されていた


渡辺明竜王の自戦記の告知は竜王のブログで告知されていたので事前に知ってはいたが

内容がとても素晴らしかった


他の人が書く観戦記ももちろん興味深いのだが

今回に関していえば羽生ー渡辺の黄金カードであり

その当事者である竜王がどんなことを綴るのかとても楽しみにしていた


自戦記の内容はテキストを買って見てもらうとして(笑)←NHKの回し者ではない(笑)

渡辺竜王の自戦記はクールな竜王らしくもライブ感に溢れていてとても素晴らしかった


それもそのはず

テキストの1コーナーでもある後藤元気氏のコラムに面白い事が書いてあったので記しておく


元気氏はNHK杯終了後に準優勝に終わった竜王と打ち上げに行き帰宅したのだが

帰宅して数時間後に竜王よりメールが来て確認したら

決勝戦の自戦記を書き終えたのでお送りしますという内容で驚いたというのだ


元気氏は竜王の自戦記を書いた仕事の速さを超速(笑)と表現していてうなずいてしまったが

正に鉄は熱いうちに打てという諺通りの仕事の速さがライブ感溢れる自戦記に繋がったと思う


元気氏は竜王の仕事の速さに背筋が伸びる思いがしたと結んでいたが

私も仕事を後回しせず片付けていく習慣を身につけねばと背筋が凍る?思いがした(笑)


竜王の自戦記を見ていて思ったが

彼は大盤解説のトークもキレがあるが、しゃべりだけでなく文章力も相当あるなと感じた

竜王のブログも情報の発信は簡潔でありながら一目見たら彼が書いた文章だと判る個性がある


と、ここまで持ち上げておいてナンだが

褒めるばかりでは面白くない(笑)のでオチで締めます


竜王の愛妻、伊奈めぐみさんの結構有名なブログ「妻の小言」でおもしろい記事があった


著書「将棋のチカラ」で竜王と対談もした阿久津主税七段藤森哲也四段

おそらく柊君のために書いた迷路のイラストが公開されていて非常に詳細に描かれているのだが

同じく公開している竜王が書いた迷路のイラストどう見ても幼児レベルのイラストなのだ(笑)


単純に竜王はイラストなどが元々得意分野ではなさそうなのだが

ああ〜、竜王は将棋(及び競馬)にすべてのパワーを注いでいるのだなあ〜、とむしろ感心した(笑)


ともかく渡辺竜王には他棋戦もそうだがNHK杯でも優勝と何か伝説を残してもらいたい

羽生の築いた優勝10回には及ばなくても初手3六歩のような竜王ならではの伝説を楽しみにしている


2012/05/01(火) 02:57 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑤『渡辺明竜王』がブログ本を出版〜伊奈めぐみのイラストが目印!
渡辺明竜王は文章力があるから本を出版すれば良いのに

と、前々から思っていたら なんと! 近日竜王のブログ本が出版されるそうである


書き下ろしではないが 竜王のブログ本ならば買って損はないだろう と思う

ボナンザ開発者の保木邦仁さんとの対談でも特別収録されれば尚良い


棋書のような専門書も需要はあるだろうが

竜王の魅力を伝えるにはコラムやエッセイ的な内容の方が読んで面白いだろう


先崎八段も本を出版しているが竜王にも是非1冊とはいわず、何冊でも出して欲しい


その渡辺竜王が日経新聞の知求見聞というコーナーに4回に渡りコラムを寄せていた

竜王も読売新聞だけでなく(笑)日経新聞からも取材を受けるのだなあと感心していたら

そうか渡辺竜王は王座(日経新聞主催)も保持していたんだ(笑)と合点納得した


コラムの内容は将棋愛好家には真新しいものは無く、ごく一般的な将棋の話題だったが

以前は自分で封じ手をするようにして(公言もして)いた竜王

キャリアを重ねた今は封じ手を気にしないスタンスになった、という話には興味をひかれた


竜王は今回の日経新聞のコラムだけでなく、過去にも数多の取材を受けているはずだが

中でも趣味の競馬関連で面白いコラムがいくつか残っている


これは竜王本人の談話ではないが

(残念ながら放送終了となった)中央競馬ワイド中継というUHF系テレビ番組に

競馬が趣味の竜王がゲストで出演した事があり

(私も視聴したが竜王の紹介もとても良くまとめられていて良い放送だった

そのスタッフのブログに渡辺竜王の人柄がとてもよく描かれている


スタッフ四方山話というコラムは桑原克也さんという方が書かれているようだが

彼は将棋が大好きらしく文章の節々からも将棋を愛してやまない情熱が伝わってくる

そして彼のコラムには竜王の飾らない気さくな人柄と竜王への尊敬の念が溢れていた

とても良い記事なので機会があったら是非読んでもらいたい


また競馬を主催するJRAがらみの対談がJRA-VAN(第8回分)に掲載されている

こちらは竜王の競馬愛がとても微笑ましく語られているので興味のある方は是非一読を

なんとも楽しそうな竜王の姿がスナップされているのも見所だ


竜王の老後の夢は朝から晩までフルタイム競馬だそうだが、これらの記事を見ると納得できる


今回は将棋の対局内容ではなく竜王の人間的な魅力に迫ってみたが

ブログ本の詳細を待ちつつ竜王の将棋界に留まらない幅広い活躍に期待したい


[追記*α] ブログ本タイトルが「明日対局。」と決定した模様。仮表紙も竜王のブログにアップされている。

    内容はブログ歴10年を凝縮したものになるとのこと。加筆もあるようだ。7月発売予定。期待しよう。


[追記*β] 味のある表紙イラストは竜王の妻伊奈めぐみさんによるもの。人気ブログ妻の小言でも確認できる。

    なんとエイプリールフールから伏線を2ヶ月近く温めていた伊奈めぐみさんのセンスに脱帽。


2012/05/02(水) 03:25 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑥ 見たい棋士の登場と活躍を願う
先日、日ハム対ソフトバンク戦を観戦していたら

日ハム先発の多田野数人が登板していたので

彼の持ち玉である超スローボール投げないかなと眺めていたら

ソフトバンク松田宣浩の打席で超スローボールを投げた


山なりの魔球はテレビの画面から消え、時間をおいてキャッチャーミットに収まった

日ハム本拠地の札幌ドームはファンのどよめきと歓声に包まれた

超スローボールの余韻が残る中、直球で松田を打ち取った後に一際大きな拍手が多田野に送られた


まさかリアルタイムで(テレビ中継ではあるが)拝めるとは思ってなかったので

なんだか見れて得をした気持ちになった


松田は試合後のヒーローインタビューで多田野の魔球が実際に来たら動けなかった事と

次に投げて来たら打ちたいと意気込んでいた


対戦相手をも翻弄する投球は相撲で言えば猫騙しの様で奇襲作戦のように言われるかもしれない

将棋で言えば初手に端歩を突く様な、もしくは初手3六歩の様な手かもしれないが

相手はもちろんのことファンを沸かせることができるのならば立派な投球・作戦であると思う


同じ試合では日ハムの中田翔が4番打者として打席に立っていたが

彼の現在のフォームはかなり低く重心を構える独特のもので、つい画面の彼に目がいってしまう

つまり野球を観戦している中でも、中田翔や多田野数人選手のプレーは特に注目してしまうのだ

わかり易くいえばイチローの打席は見てみたいとほとんどの人は思うだろう


これと同じ事は将棋棋士にも言えるのではないだろうか


広く視聴される点ではNHK杯が一般的に身近だと思うが

すぐ思い当たったのは窪田義行六段である


今期NHK杯は残念ながら本戦出場には至らなかったが

やはり画面を沸かせるという点では、中田翔や多田野選手と同様に見たい棋士である

先日NHK杯を沸かせた佐藤紳哉六段や橋本崇載八段も含まれるかもしれない


棋士が勝ち負けを追求するのは勿論だが、勝敗のみを決するのなら密室でやればいい話で

ファンにテレビ観戦される前提のNHK杯などでは、棋士は魅せる姿勢をもっと見せてほしい


それは髪を金髪にしたりカメラ目線を送るパフォーマンスでなくても

単純に指し手で驚かせてもいい 昔の羽生マジックもそれに近いかもしれない


多田野選手や中田翔には個性があるから特に注目して見てしまう

個性を表現している棋士は同じ様に見たいと思う


幸い最近の若手棋士は見たいと思われるような個性的な棋士が多い様に思う

大山康晴十五世名人や升田幸三実力制第四代名人も個性的だった


強さではまだまだ羽生最強世代の壁は厚い

将棋界を盛り上げる為にも見たいと思える棋士の登場と活躍を期待したい


2012/05/02(水) 22:30 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑦ 大山康晴十五世名人が説く中将棋のススメ
将棋には平安将棋や中将棋などルールが異なる将棋が太古の時代から数多あり

現在目にする本将棋は小将棋に近く駒数も升目も余計なものをそぎ落とした美しさがある


実際大将棋(鎌倉大将棋)以上になると駒数も升目も多すぎて収束まで時間がかかるので

現在の本将棋のルールに落ち着いたのではないだろうか


ちなみに大山康晴十五世名人は中将棋の愛好家であったという

中将棋はチェスと同じく取った駒は使えない

本将棋を小型化したどうぶつ将棋が指されているのだから

逆に本将棋の大型版といえる中将棋を指すのも洒落ているのではないか


中将棋は最大の駒数と升目を使う大局将棋ほど大きくないので実際に指せる将棋だ

中将棋愛好家の働きにより中将棋の駒と盤を扱っているサイトもあるので遊ぶこともできる


興味深いのは本将棋には無い面白い駒が他の将棋にはたくさんあることだ


例えば本将棋に近い朝倉将棋にある醉象という駒

成り駒になると玉と同価値の太子となり玉を取られても太子がいる限り対局は終わらない


また中将棋には金将銀将に継ぐ銅将があり本将棋にあっても面白そうだ


中将棋には奔王という駒もあり飛車と角行の動きを併せた駒なのでとても強力だ

(奔王はチェスでいえばクイーンと同じ動き。飛車はルーク、角行はビショップと同じ動き。)


ただ強力すぎる駒が多いと収拾がつかなくなるのでやはり本将棋の升目と駒数が丁度バランスが良いと思う、、、


「中将棋もおもしろいぞ」

中将棋を愛好していたと言われる故大山康晴十五世名人が私の耳にそうささやいた気がした


2012/05/04(金) 21:19 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第9局 『郷田真隆棋王』が熱く語った趣味とは♡
今月の将棋世界6月号に棋王を奪取した郷田真隆棋王のインタビューが載っていた


特にページ後半の将棋とは関係ないプライベートな話題が読み応えあり面白かった


テレビの解説などでは知り得なかったが、スポーツ観戦が趣味で大好きなのはよくわかった


なぜなら先日の全豪オープンテニス決勝のジョコビッチvsナダルの死闘

テニス史上最高の試合と言い切り、過去の名選手達の名試合もよく覚えていたからだ


実は私も郷田棋王が語った全豪オープンの決勝をリアルタイムでテレビ観戦していたので

郷田棋王がテニス史上最高の試合と言い切った気持ちが100%理解できた

そして郷田棋王は本当にスポーツ観戦が好きなのだなあと嬉しい気持ちになった


他のインタビューで恋愛観や結婚について質問された郷田棋王

恋愛観については「例えにくいが、棋風通り(実直)」

結婚については「私には厳しい質問です」

と答えているが、スポーツ観戦を熱くさわやかに語る郷田棋王はイイ男に間違いない


2012/05/04(金) 23:11 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑧ 将棋は奥が深くて面白い素晴らしいゲーム
5/5は こどもの日


将棋は今でこそコンピューターゲームやネットで1人でも遊べる

基本的には対人ゲームであり そこには人間同士の触れ合いがある


多くの一般的なこどもは もちろん人生のどこかで将棋に触れる機会が絶対にある

しかし少々腕に自信のあるこどもでない限り

将棋に触れるのは学校の友達と学校の将棋クラブで遊ぶ程度のものだ


そこで残念なのが

町の道場とは違い学校のクラブ活動レベルでは

将棋の魅力をよく解らないままに辞めたり離れてしまうこどもが多いだろうという事だ


なぜなら将棋に初めて触れるこどもたちに将棋の魅力をよく伝え切れていない事と

指導する先生らにそこまでの受け入れ態勢が整っていないからだ(もちろん良い先生もいるが)


将棋がすべて正しくて他の遊びが間違っているとか微塵も思ってないが

もう少し将棋がこどもの遊びに浸透してもいいとは思っていて

それは将棋が強い弱いだけのゲームでなく人間同士の触れ合いが学べるからだ


プロ棋士を目指す以外の多くの一般的なこどもには

将棋はとても楽しく遊べて学べるゲームだと思う


あんまり将棋を賞賛すると

なんだか米長邦雄会長の回し者みたいだが(笑)

実際やってみて将棋をある程度わかってくると本当にそう思うのだ


しかも将棋の良い所

30歳になっても50歳になっても70歳になっても元気があれば指せるところだ


きっと未だに将棋に古くささとかマイナスのイメージを抱いている人も少なくないと思う

だけど将棋は素晴らしいゲーム


そうたかがゲームなんだけど

渡辺明竜王も将棋はボードゲームと定義して言い切っているけれど

奥が深くて本当に面白い物なのだ


アマ有段者でも初級者でも中級者、上級者でもどんなレベルでも楽しめる楽しいゲームなのだ


どんなレベルでも同じくらいの実力か少し上のレベルに勝った時の喜びは計り知れない


眠っていた脳細胞をフルに使って自分の好きな一手を指す

そこにはその人の性格と人生観が表われる


巷に溢れる数多のゲームに飽きたなら

遥か古来から日本にあり続けた

江戸人も平安、鎌倉人も遊んだに違いない将棋を指してみてはどうだろうか


2012/05/06(日) 00:23 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑨ ワカメを見て泣いた思い出の将棋崩し
先週のサザエさんを見ていたら微笑ましい場面が描かれていた


ワカメが波平に将棋を教えてほしいと言って

趣味の将棋に興味を示されて嬉しい波平が喜んでワカメに将棋を教えるシーンがあり

それを陰で見ていたマスオがサザエにワカメがチビっ子女流棋士みたいだなあと言うのだ


きっとこの話を創ったサザエさんの脚本家は将棋に造詣が深いのだろう


話が横道に逸れたが

ワカメは将棋を習った後にGWを寂しく過ごすお爺さん二人組の所に行き

将棋ではなくお爺さんと三人で将棋崩しをして遊ぶのだ


ワカメとお爺さんが将棋崩しをするシーンを見たとき

懐かしくて泣きそうになった


私が子供の頃はテレビゲーム等無く

当時はどこの友達の家に遊びに行っても将棋の駒は(安物だが)大概あってそれで遊んだものだ


今思うと対局をした記憶はなく

周り将棋か将棋崩しをよく遊んだ気がする はさみ将棋も少しやった


将棋盤は棋譜を並べるだけでなく 将棋崩しもできることを忘れていた


幼き日に戻って将棋崩しを誰かと、、、したいものだ


2012/05/06(日) 01:25 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑩ とんねるずと将棋の実は深い意外な関係とは
とんねるずのみなさんのおかげでしたで思い浮かぶコーナーといえば

新食わず嫌い王決定戦と言う人も多いのではないだろうか


あれを見ていてどれほどの人が気付いているか判らないが

相手の嫌いな物を色紙に書いて予想を披露するときに

先手◯◯◯◯(◯はゲスト名) 後手◯◯◯◯

将棋の先手後手を連想するようなくだりがあるが

あれを将棋と結びつけて考える人がどれくらいいるだろうか

たぶんほとんど気にも留めないフレーズだと思う


あれは囲碁の先手後手じゃないかという人もおられるかと思うが

おそらく将棋の先手後手を踏襲しているとみて間違いない


なぜならとんねるずの過去の番組でも

将棋を大々的にフィーチャーした画期的な人気コーナーがあったからだ


ラスタとんねるず'94

この番組を覚えている人はどれだけいるだろうか

わずか半年間の放送だった割には視聴者に大きなインパクトを残した番組だったのではないか


半年足らずで印象がある一番の理由は

当時無名だったアンディフグなど創成期のK-1ファイター達をガチで戦わせた

ジャイアント将棋の企画が毎週好評だったからだろう


そうなのだあの人気企画も将棋が踏襲されている

しかもジャイアント将棋と将棋の呼称が入っているほどのフィーチャーぶり


しかも石橋貴明は貴王 木梨憲武は憲王として登場

まるで竜王みたいでカッコいいではないか(笑)


番組内では将棋盤を模した盤に格闘家や芸能人の名のを並べ対局するというスタイルがとられた

まさに将棋そのものである


という歴史があるので 新食わず嫌い王決定戦の先手後手も将棋を踏襲していると思われるのだ


しかしこれらを将棋と関連づけて将棋に興味を抱く人はそうはいないだろう

ただ将棋界にそれほど直接の恩恵がないにしても

将棋のスタイルというのは見方を変えたりするだけで

随分と楽しいものにも成り得るという事を良く表してくれていると思うのだ


とんねるずの番組を普通に楽しむのもいいだろうが

先手後手のナレーションが流れた時に

将棋だと少し思いながら見るくらいの視点があれば

将棋愛を感じずにはいられないだろう


2012/05/06(日) 03:38 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑪ 私の頭の中にあるのは将棋盤と駒ではなくてあの有名GAME
棋士は頭の中に自分の将棋盤と駒のセットを持っていて

自在に局面を再現することができるらしい


さらに複数の棋士のコメントから浮かび上がった

棋士あるあるにこんなものがある


例えば壁のタイルを見たりカーテンの線を見るとつい詰将棋をしてしまう(以上羽生善治談)


確か阿久津主税七段もこのようなことを言っていたような気がする


壁のタイルが四角いプレート型であれば将棋の盤に見えなくもないが

さすがにカーテンの線を見て詰将棋をする羽生善治は職業病といったところか(良い意味で)


そこで自分も同じ様な体験をしていたことに思いついた


少年時代ゲームボーイのテトリスが爆発的に流行った

起きている食事中もトイレ中も授業中も入浴中も さらには眠ってる夢の中でも

四六時中テトリスが頭の中に降ってきていた事があったなあ(笑)と


ある意味テトリス病だったのかもしれない

あれほど何かに打ち込めば相当上手くなるのは当たり前


将棋盤と駒が夢に出たり升目を見たら詰将棋をするには至らないわたくし(←飯島七段風に)であった


2012/05/07(月) 00:42 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第10局 『室岡克彦七段』が綴った順位戦の正体とは?
佐藤康光王将が1秒間に1億と3手読むという逸話は有名だが

それを最初に口にしたのは室岡克彦七段であったらしい


そんなムロさんこと室岡七段が第70期順位戦終了後のフリークラス転出を区切りにブログを始めた

まだ記事数は少ないが興味深い記事があったので紹介したい


順位戦の正体と付けられた記事に自身の順位戦の長年に渡る苦闘簡潔に書かれている


30年間戦った順位戦は一言で言うと「継続的な苦闘」であったこと

昇級争いも、降級降級点を逃れる戦いも常に苦しい闘いであったこと

順位戦の苦闘は名人になるかフリークラスに転出降級するか引退するまでずっと続くこと


他棋戦と違い負けても勝っても厳しい戦いが年に10局(C2)必ずやってくること

昇級争いも降級点を巡る争いも苦しい戦いだったが

若手時代からベテランに至るまでそれが最大の喜びでもあり、生き甲斐でもあったこと


そして順位戦を外側から観戦するのを今から楽しみにしているという言葉で締めくくられていた


なんだかこの記事を見ていたら、奨励会の三段リーグ時代を語るプロ棋士と重なった

奨励会三段リーグは地獄だとか二度とあのような戦いはしたくないとか

おそらく年齢制限や色々なプレッシャーの中で三段リーグを戦い抜くのは精神的に参るのだろう


しかしそれは四段プロになり順位戦を戦う棋士になっても変わらず厳しいものなのだと改めて思った

室岡七段の記事には苦しい戦いが強調されておりそれは苦闘の2文字に込められている


順位戦の正体はまさしく苦闘そのものなのだと

ただ苦しいながらも最大の喜びであり生き甲斐であったという下りに順位戦の意義があると思う


人間は良かったことよりも嫌なことを思い出す方が多いらしい

棋士であれば勝った対局よりも負けた対局が記憶として脳裏に焼き付く方が多いのではないだろうか

そう考えれば順位戦を戦う棋士の過酷さが少しは理解できる気がする


羽生善治二冠は敗戦を引きずらないと多くの棋士が証言している

負けを引きずらない姿勢はすべての棋士 そして戦う人間の見本になるのではないか


室岡七段は順位戦での戦いを苦闘と振り返っていたが

今後は敗戦を恐れる事なく残りの現役生活を満喫してほしい


2012/05/07(月) 02:49 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第11局 『船江恒平五段』&プロ棋士軍団は第2回電王戦で勝利できるか?
世界コンピュータ将棋選手権が先日開催され

GPS将棋が6勝1敗の好成績で2度目の優勝を果たした


GPS将棋は797台のコンピューターを使い1秒間に2億8000万の局面を読んだそうである


そして今回優勝したGPS将棋を含め上位5位までのコンピューター将棋

第2回電王戦でプロ棋士と5対5のガチンコ対局を行う

今から結果が気になって仕方ない


しかしプロ同士の対局ではなく一方は機械であるのに

電王戦が楽しみである状況というのはどう捉えれば良いのだろうか


しかも以前ならコンピューターがプロ棋士に勝てるかという視点だったのに

今はプロ棋士がコンピューター将棋に勝てるだろうかという視点に変わってきた


そこで次回出場が決まっている船江恒平五段の他に推薦したい棋士をざっと挙げておきたい


今ノリに乗っている中村太地六段 第1回電王戦では米長永世棋聖と盤を挟んだ米長門下だ

C級2組ながら実力は織り込み済みの菅井竜也五段 ネット将棋最強戦優勝の実力者だ

若手随一の序盤研究代表格阿部健治郎五段 研究の情熱は将棋ソフトに負けない

荒削りだが勢いが魅力の永瀬拓也五段 勝ち筋にハマったら強い

やはり潜在能力は1番の豊島将之七段 優勢になってからの勝ち切り方は若手NO.1


こんなところだろうか

若手強豪の名を見ていたらなんだか電王戦も勝てそうな気になってきた(笑)


そしてあえて中堅の名を挙げるとすれば、橋本崇載八段や広瀬章人七段といったところか


コンピューター将棋も来年までにバージョンアップするだろうし

厳しい戦いになるのは間違いない

いずれにしても次回の電王戦が今から楽しみである


2012/05/07(月) 16:01 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第12局 『中村太地六段』が羽生善治二冠と棋聖戦目前の大一番に挑む
棋聖位4連覇中の羽生善治棋聖への挑戦を決めた中村太地六段

今1番勝っている棋士だ


もちろんこの8割5分の勝率がずっと続くわけないが

それでもこの結果が出ている今タイトルへ挑戦できる事実は大きい

しかも相手はあの羽生善治


若手時代に連勝や勝ち数で表彰を受けるくらいの活躍を残した棋士

ほぼもれなく将来の強豪棋士に名を連ねている

歴代トップ10に入るほど勝ちまくった木村一基八段

近年では佐藤天彦七段や永瀬拓也五段の連勝賞は記憶に新しい


中村太地六段の勝率8割5分は歴代2位の驚異的な勝ちっぷりだったので

名棋士への第一歩となるのは間違いないだろう


そしてこの絶好のタイミングで一次予選から勝ち上がり

実力者の深浦康市九段を退け棋聖戦挑戦者になったのは賞賛に値する

ここまで来たらあと一歩 タイトルを奪取できれば最高の結果である


相手は羽生善治棋聖だが中村太地六段が3連勝で奪取できる展開もありえる

その展開を占うのに絶好の機会がある

5月13日(日)に行われる大和証券杯ネット将棋最強戦1回戦

中村太地六段は羽生善治二冠と対局するのだ


昨年菅井竜也五段が同じ最強戦1回戦で羽生善治を破った上優勝し大ブレイクした様に

中村太地六段も羽生善治を破るような事があれば

6月6日から始まる棋聖戦の大きな試金石になる


すでに最強戦は開幕し佐藤康光王将は若手の大石四段を退け番狂わせは免れた

しかし中村太地六段がもしも羽生善治に勝っても番狂わせとは誰も言わないだろう

もうそれほどまでに中村太地六段の評価は高まっているのだ

5月13日の対局を大いに注目したい


[*追記]最強戦1回戦 羽生善治二冠 対 中村太地六段の公式戦初対局は羽生善治二冠の貫禄勝ち


2012/05/07(月) 16:46 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑫ 797台のパソコンで2億8000万局面読むGPS将棋は計算機か?
世界コンピュータ将棋選手権の結果は船江恒平五段の項でお伝えしたばかりだが

1秒間に2億8000万局面を読むとか797台のパソコンを連結したとか聞くと

もはや将棋ソフトという概念を越え計算力の戦いになってきたような印象を受ける


もちろんプログラム開発者の方それぞれの個性や特徴をソフトに持たせているのだろうが

数字が天文学的な数に増大するにつれて

これはもはやいかに早く多く読むかの勝負になってしまいそうで複雑な気持ちだ


なにを言いたいかというと

例えばここに正確な秤があるとしよう


そしてそば麺を1玉160グラムで計ろうとする

この秤は誤差±2の範囲で計ることができる

これは正確な測定で生じる誤差の範囲である

時計で生じる秒差と考えてもらっても良い


この正確な秤はいわばコンピュータ将棋である

正確な秤をベルトコンベアー式にすれば

大きな食品加工工場のように1分間で何百何千、1時間で数千何万玉のそばを計ることができる


しかし一方では手打ちそば屋の主人が長年の経験

秤を使わずに手の感覚だけで機械よりも正確に160グラムを計ることができる

しかも誤差は正確と言われる秤よりも小さい±1であるという

これは挿話ではなく実際にありえる話


そば屋の主人が秤を使わずに長年の経験に裏打ちされた手の感覚で正確に計る作業

近年羽生善治が強調している棋士の大局観に通じるものがあると思う


どちらが正しいという議論ではなく

そば玉でいえば160グラムを正確に計るアプローチの仕方が違うと言いたいのだ


パソコン797台 1秒間に2億8000万局面という数字を目の当たりにし衝撃を受けた

きっとこれからますます読める局面の数は文字通り桁違いに進歩していくだろう

しかし将棋ソフトが強くなっているのは解るのだけれども違和感を持ったのが正直な感想


機械で計ったそば麺も、手打ちで作り手で1つ1つ計ったそば麺

食べたらどちらもおいしいのだろうけど

もし二つを並べて食したら、やはり手で計った手打ちの麺がおいしく感じるのではないのか


将棋ソフト開発者様の努力や関係者様の努力を否定するもでは何らありませんのでそこはあしからず)


2012/05/08(火) 03:57 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑬ 第20回達人戦にタイトル保持者3人とA級棋士5人登場の異常事態
5月7日 ひっそりと谷川浩司九段vs内藤國雄九段の対局が行われた

第20回富士通杯達人戦である


内藤國雄九段の応援をしていたのだが敗局となった

タイトルを保持していないとはいえ谷川浩司は未だバリバリのA級棋士である

内藤國雄が自在の空中戦を見せても勝ち切るのは難しいのが正直なところだ


ちなみに達人戦は非公式戦である


基本的に40歳を過ぎてから出場資格があり主に成績順に選抜されたトーナメントとなる

一昨年の佐藤康光が出場してからは羽生世代が40代になったこともあり

今年の達人戦は森内俊之名人、羽生善治二冠、佐藤康光王将

3人のタイトル保持者がトーナメントに顔を揃えた

さらに谷川浩司九段と高橋道雄九段を含む5人がA級棋士である

竜王戦1組かタイトル戦の挑決トーナメントかと思うような豪華な顔ぶれである


しかし一昨年は初出場の佐藤康光、昨年も初出場の羽生善治が優勝しており

ベテラン棋士の活躍の場も羽生世代が席巻しそうな勢いである


そこで思うのだが達人戦はタイトル保持者は除外してはどうか

通常ならばタイトル保持者をシードするところだが

非公式戦でもあるし他のベテラン棋士に枠を空けた方が良い


若手の登竜門的な新人王戦や青流戦があるのだから

ベテランに活躍の場を与えた達人戦も逆に強豪のベテランは除外しても良いのではないか


例えばヨーロッパのサッカーでは各国のトップチームで争う

チャンピオンズリーグという大会がある

そしてその下に各国の中堅チームで争うUEFAカップという大会が存在する


UEFAカップにはトップチームは基本的に参加しない

しかし中堅同士の大会とはいえUEFAカップ優勝はチャンピオンズリーグに次ぐ名誉である


だから達人戦もトップ棋士を参加させず

中堅ベテラン棋士の大会に特化した方がかえって良いのではないか


もしくは現在の40歳は若いので50歳からに出場資格を切り上げるとか方法はある


加藤一二三九段や内藤國雄九段のような70代のコッテリした対局は味わい深いので

達人戦も最強戦のように第21回からは出場資格や大会規定を見直した方が良い


2012/05/08(火) 04:49 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第13局 『佐藤紳哉六段』が橋本崇載八段とタッグで再びNHKに降臨
NHK-BSの名人戦中継の解説陣が第6局まで決定している


現在1勝1敗なので第5局までは確定しているが

第6局の解説が橋本崇載八段と佐藤紳哉六段なので

ぜひとも第6局まで名人戦がもつれることを期待したい


先日NHK杯を沸かせた佐藤紳哉をキャスティングしたNHKもなかなか粋な仕事ぶりだが

その佐藤紳哉が期待に応えて再び魅せてくれるか

また佐藤紳哉をツイッターでライバル視発言した橋本崇載のコメントも興味深い所だ

いずれにしても生放送で何が飛び出すか期待したいところである


第3局は佐藤康光王将と中村太地六段の解説

棋聖戦の盤勝負を控える中村太地六段に注目

佐藤康光棋士会会長の低音ボイスな良い声も聞き逃せない


第4局の解説には三浦弘行八段こと“みうみう”と村山慈明五段が登場する

みうみうは説明不要として

村山慈明五段はアナウンサーに「序盤は村山に聞け」と話をふられたら怒った方が良い


3月2日の将棋界の一番長い日に木村一基八段と共にゲスト出演した時

進行の堀アナから何度も「序盤は村山に聞け」のキャッチフレーズを連呼されていた


最初の紹介として1度言われるのならともかく

何回も繰り返されると「中盤と終盤は村山に聞くな」と皮肉にも聞こえたので

2回言われたらシカトした方が良い


村山慈明五段は「序盤は村山に聞け」と言われなくなったら一人前だろう

大盤解説も立派な仕事だから佐藤紳哉六段のようにガツガツ発言して魅せてほしいものだ


[*追記] 第4局の中継が放送されたが、結局最後までアナウンサーは

   「序盤は村山に聞け」のくだりを1度も話さなかった。

    もしかしてNHKのスタッフがこのブログを事前に見た、ワケないか(笑)

    いずれにしても村山慈明はこれで一人前になった! 六段昇段オメデトウ! 村山慈明六段!


2012/05/17(木) 04:22 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第14局 『渡辺明竜王』が王位挑戦者決定戦に進出したが展望はいかに
渡辺明竜王は王位戦挑戦者決定戦に駒を進めた

相手は藤井猛九段である


藤井猛はB級2組へ降級したとはいえ元竜王3連覇の実力者である

矢倉の早囲いなど新境地を見せている藤井猛は今、いわば手負いの棋士とでも言えようか


王位挑戦は渡辺明竜王を8割方持ちたい気持ちだが1局勝負ゆえ結果は判らない

しかし渡辺竜王が王位挑戦を決めたらそのまま王位奪取もあるのではないか

それはすなわち羽生善治王位が王位を失うことを意味している


羽生善治は昨年新鋭の広瀬章人王位から王位を奪った

昨年度は朝日オープンで菅井竜也と広瀬章人を退けて優勝している

これはすなわち40代の羽生が若手強豪に対してまだまだ力の差を見せている図式だ


ところが唯一羽生は渡辺竜王に対してのみ分が悪い

渡辺竜王が王位挑戦者となったら羽生の防衛は普通に考えても厳しくなるだろう


果たして渡辺竜王は三冠目を奪取したら七冠も夢ではない

羽生が20代半ばで全冠制覇したことと比べると少々遅くなった感はある

奇跡の七冠の可能性があるとしたら渡辺竜王しかいないだろう


ただしある条件がつく


渡辺竜王が今後タイトル数を増やす為には

羽生世代ではなく若手世代に勝てるかどうかにある


渡辺竜王はもうすぐ30代に入る

必然的に若手強豪との対局が増える


羽生がタイトルを増やし続けられたのは

谷川浩司などの上の世代に勝ってきたのは勿論だが

若手に圧倒的に勝ってきたから

ただ1つの例外渡辺竜王を除いて


そこで気になるのが渡辺竜王には同世代に同等のライバルと呼べる棋士がいないことだ


羽生善治がここまで強くなれたのは

羽生世代と呼ばれる森内俊之、佐藤康光、郷田真隆、、等と切磋琢磨し

みんなでレベルアップしてきたからだと自身も公言している

この見解に異論はないと思う


そして渡辺竜王には孤軍奮闘という言葉がよく聞かれるように

羽生世代に対して一人で立ち向かってきた感がある


同じ時期に奨励会に在籍していた阿久津主税七段や橋本崇載八段も確かに強豪棋士だが

阿久津主税は2度の棋戦優勝があるものの

橋本崇載に至っては意外だが棋戦優勝もタイトル挑戦すらないのだ


渡辺明竜王はそういう意味で同世代の強力なライバルに恵まれなかった点が唯一の不安材料


そして今後 広瀬章人七段や中村太地六段や豊島将之七段や佐藤天彦七段、、等と

タイトル戦を争うようになった時に下の世代に対してどういう勝負ができるかが鍵となってくる


渡辺竜王の今後の軌跡は若手棋士達との対局に懸かっている


2012/05/22(火) 16:00 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 第15局 『森内俊之名人』を復調させた張本人は目の前にいた!
第70期名人戦は第3局終了時点で森内名人の2−1

すべて先手番が勝っているとはいえ戦前の低勝率からは予想できない鉄板ぶりといったところか


多くの将棋ファンは森内名人が復調した理由が何故なのか知りたがっているようだ


島朗九段は竜王戦で森内の大連敗を止めた(笑)当事者だが

島九段によると森内名人はそもそも不調ではなかったというのだ


対局していても不調といわれるような将棋の内容ではなかったと言っている

もっとも島朗九段は投了の早い棋士なのでそう感じたのかもしれない


ということで人それぞれ森内名人が復調した(と思われる)理由を想像しているだろう

私の考えはこうだ


森内名人は名人戦に合わせて調子を合わせてきたとか

9時間2日制の名人戦が水に合っているとか

そういう理由ではないと思う


ズバリ

森内名人が自分の力を最大限に発揮できているのは

対局相手が羽生善治二冠であるからだと思う


つまり

強い相手、羽生二冠という最強の相手だからこそ

森内名人は最高の対局者によって己の力が最大限まで引き出されているのではないか


調子の良い相手と戦うことによって自分自身も上昇気流に乗ることはある

この名人戦を絶好調で迎えた羽生二冠の充実パワーを森内名人が吸収したのだろう


2012/05/24(木) 02:29 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑭ 第70期名人戦、今後の戦形をズバリ予想(第5局&第6局)
第70期名人戦は第4局を終え 森内俊之名人2ー2羽生善治二冠 のイーブンとなった

ここまで全局先手番が制している


第5局の戦形をNHKで解説していた三浦弘行八段と村山慈明六段は両者共

羽生二冠が変化してくる(矢倉ではない戦形)のではないかと戦形予想していた


しかし私の予想では第5局は相矢倉になる可能性が高いとみている


ここまでの星取りを眺めてみると

第1局 先手森内☆ー★後手羽生 相矢倉

第2局 先手羽生☆ー★後手森内 角換わり腰掛け銀

第3局 先手森内☆ー★後手羽生 相矢倉(急戦)

第4局 先手羽生☆ー★後手森内 相矢倉


羽生善治は負けた戦形をそのままにしない傾向がある

とするならば第1局、第3局の後手番を相矢倉で敗れているので

第5局も相矢倉を採用してくるのではないか


逆に第2局、第4局と先手番で角換わり、相矢倉で制しているので

第6局の羽生は先手番だが、角換わりと相矢倉は避けるのではないか

後手森内の対応にもよるが、横歩取りか相振り飛車とみた


過去には谷川浩司名人 対 佐藤康光八段による第56期名人戦のように

第6局まですべて先手番が勝ったシリーズがあったが

第7局は谷川浩司が振り駒で先手番となったものの

後手の佐藤康光が制して見事名人位を奪取している


第5局、第6局とそれぞれ後手番となる羽生と森内のどちらかがブレイクできるか

もしくは先手番が勝ち続け最終局にもつれ込むのか


400年の節目と銘打った名人戦残りの三番勝負をしっかと見届けたい


2012/06/01(金) 21:53 新将棋棋士列伝
新将棋棋士列伝 番外編⑮ 第70期名人戦は森内名人の防衛が濃厚!
[*追記] 第70期名人戦七番勝負は4-2で森内俊之名人の防衛劇となった

私は4月10日の時点(番外編①)で森内の防衛を予言していたが見事的中! 配当は何もないけど(笑)

番外編①②③で第70期の名人戦について触れているので、気になる方はそちらもどうぞ。

個人的には400年の節目の名人戦と銘打った割には、内容もシリーズも盛り上がらなかった印象で

ニコニコ動画の中継が好評だった事と、佐藤紳哉六段がテレビで使えることが判ったのが収穫という印象でした。



故大山康晴十五世名人の呪いなのか


歴代タイトル獲得数で大山に並んだ羽生善治現二冠が

タイトル獲得数80期で足踏みをしそう


第70期名人戦が始まる前は森内名人の不調も重なり

羽生圧倒的優位で迎えたと思われたが

蓋を開けてみれば森内名人の防衛が極めて濃厚


第5局は後手羽生が横歩取りに誘導、そして敗れた

限りなく名人位奪取は難しいだろう


A級順位戦を9戦全勝しながらの挑戦失敗となると

さすがの羽生も脱力するのではないか


6月からの棋聖戦と7月からの王位戦

久保利明九段が二冠を立て続けに失ったように

このままでは中村太地六段と藤井猛九段に奪取されてもおかしくない


藤井は竜王戦も2組2位で決勝トーナメントへの出場権を得た

順位戦B級2組へ降格はしたが藤井の逆襲は始まっている

王位挑戦者決定戦で渡辺明竜王に勝っての王位七番勝負出場である


一方羽生は竜王戦1組4位決定戦で丸山に敗れ今期の竜王復位は無くなった


羽生が20年超タイトルを常に保持している状態は異常ともいえる偉業ではあったが

その記録にも終止符が来る時は近いようだ


故大山康晴十五世名人の呪いなのか

羽生は歴代タイトル獲得数単独1位を目前にしながら失冠の危機を迎えている


羽生がタイトルをすべて失ったら羽生九段とは呼べないだろう

タイトル19連覇の実績もあるので羽生善治名誉王座とでも呼ばれるのだろうか


そんな日が遠くあってほしいと願っている


しかし羽生が達成した七冠制覇は時が経てば経つ程に価値が高まり色あせない記録として輝く


当時よりも今あらためて思う

七冠を達成することがどれほど困難な道のりであるかを


谷川浩司も森内俊之も渡辺明も複数冠を保持しても五冠六冠のチャンスすらなかった

しかしそれでいい


1人の棋士が輝く時代は終わった

これからは本当の戦国時代へと移行するのだろう


佐藤康光、郷田真隆と来て、藤井猛が復活すれば羽生世代はまだまだ厚い壁

そして中堅になった渡辺明竜王は孤軍奮闘のまま竜王位をどこまで連覇し続けるのだろうか

若手強豪の豊島将之は佐藤天彦は阿久津主税はタイトルを奪取していくのだろうか


興味は尽きない


まるで将棋盤9×9=81マスの宇宙を見ている様に

将棋界と棋士達の物語からこれからも目を離せない





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